第14回:「DNAチップ」
DNAが持つ情報は膨大です。その内容を読み取るには、莫大な費用と時間がかかって
います。その解析を一瞬で行う。それがDNAチップの開発ターゲットです。
それができるようになると、一人一人の遺伝的特質を明確にでき、その結果、個人ごとに
最適な薬を作成したりということが可能になります。そのDNAチップ開発のヒントは
半導体プロセスであり、ナノテクノロジでもあります。まさに、半導体とナノテクとバイオの
融合領域であります。今回はこのDNAチップについて探っていきます。
対象とする米国特許は、「DNAチップ」もしくは「DNAマイクロアレイ」を
全文検索で抽出したものです。
では、探検隊出発。
例によってまず全体の傾向を見ていきます。
権利者別集計で目立つ企業をひらっていきます。
アフィメトリックス、日立、モトローラ、ナノジェン、ロゼッタインファーマティクス、イエール大学などが目を引きます。
ここで、私にとって意外であった通信機器メーカーであるモトローラの特許を見ていきます。光などを用いた検出器関係が散見されます。また、「トランジスタベースの分子検出器」というものもあります。半導体技術とナノテク、バイオとの融合がモトローラではすでに始まっているようです。
Number(Issue):6,203,981( March 20, 2001 )
Title: Transistor-based molecular detection apparatus and method.
次に筆頭米国分類を見ていきます。
多いのは、435化学です。その中でも
435/6:Involving nucleic acid.(核酸を含むこと。) に大半が集まっています。
では、さっそく半導体との接点を探っていきたいと思います。
●Number(Issue):5,605,662( February 25, 1997 )
Title:Active programmable electronic devices for molecular biological
analysis and diagnostics.
タイトル:
分子の生物学的解析および診断のための能動プログラム可能な電子デバイス。
Assignee:Nanogen, Inc.:
この特許は、多段の複雑な化学反応を実現しうるマイクロチップに関するものです。核酸交雑やバイオポリマー合成を実行することが可能であるとのことです。基板上にあいたアドレス指定可能なチャンバーの中で色々な化学反応を起こすもののようです。
●Number(Issue):6,326,215( December 4, 2001 )
Title:Molecular wire injection sensors.
タイトル:分子のワイヤ注入センサ。
Assignee:KeenSense, Inc.:
この特許はバイオセンサおよび化学センサに関するものです。
基板上にDNAなどの細線を生えるように付着させ、裏面からLEDによって光を照射する。このとき、細線底部とLED端の間で電流変化が発生するようです。この現象を応用したバイオセンサーのようです。
●Number(Issue):6,123,819( September 26, 2000 )
Title:Nanoelectrode arrays.
タイトル:Nanoelectrode配列。
Assignee:Protiveris, Inc.:
ナノスケールの電極の配列をチップ上に形成しておいて、その分布、高さ、太さを変えることによって、DNAなどの解析を可能にするものです。
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探検隊長より
DNAチップには未来を感じます。一方、半導体技術者とバイオ関係のエンジニ
アとの連携の重要性を強く感じます。今回の探検でも、私が理解できる半導体か
らみの話と用語さえピンと来ない部分とが混在しており、ちょっとつらい探検でした。
米国ではバックグラウンドの異なるエンジニアをVCが仲立ちとなって引き
合わせている。そんな気がします。さて、日本では、そのVCの役割をどこが担う
のか?特に、大学内研究の場でどこが担うのか? バックグラウンドの異なる、
モチベーションの高い研究者、技術者をどのような枠組みの中で集結させるのか?
官(行政)に期待してしまうのは、甘えなのでしょうか?
ご感想、ご要望などありましたら、
"T.Yamada" <toyamada@cerbonics.com>まで、いただけましたら幸いです。