第17回:「IBMの8月成立特許」
セルボニクスでは有料WEBコンテンツとして新たにウォッチャーシリーズを発行させていただく
ことになりました。この第1弾としてハイテク業界の水先案内人
IBMの2002年8月成立特許に関するレポートDBを当社WEBにアップしています。
このウォッチャーシリーズをさらにお客様のご要望に応じて加工、分類、分析を行って
定点観測レポートとして個別に納品させていただいています。
(もちろん、IBMに限定していません。)
さて、今回の探検隊の話題は、上記のIBMウォッチャー2002年8月成立特許の中から見ていきます。
まず、協業関係を把握するために、権利者別優先年集計を見ていきます。
1999年に技術起源がある日立との共有特許が8月に成立しています。データ転送に関するものです。インフィニオンとの共有特許が10件近く成立しています。これらの技術起源は2000年および2001年です。いずれもDRAMに関したもので、セル構造や冗長のためのフューズなどです。共同開発プロジェクトの成果であると思われます。
また、ニューオリンズ大学とのハードディスクに関する共有特許も成立しています。
次に、筆頭米国分類優先年表示を通して、技術的な分野をみていきます。
インフィニオンとの関係がありますので、気になるメモリ関係(米国分類365)をまず見ます。
Title:Dram CAM cell with hidden refresh.がまず目に飛び込んできました。
CAMとは、Content addressable memoryのことで、通常のメモリとはことなり、メモリの中にあるデータを探す機能を有するものです。ここ数年、IBMに限らず、DRAM技術を用いたCAMの開発が進められているようであり目が離せません。これは、インターネットの大規模化、高速化に伴って、ルーターの性能を飛躍的に向上させる必要があるからではないかと考えられます。
Title:Embedded CAM test structure for fully testing all matchlines.というCAM関係の特許も成立しています。CAMの重要な構成要素であるマッチ線のテストに関するものです。
Title:System and method for conserving power in a content addressable
memory by providing an independent search line voltage.
さらにCAM関係の特許があります。CAMの大きな開発課題である消費電流の低減に関するものと思われます。
2002年8月成立の特許ではメモリ関係は10件程度なのですが、このうち3割がCAM関係であるというのは、なんらかの傾向を感じます。ネットワークコンピューティング時代、すなわち、色々な場所にある無数のコンピュータが全体として大きな処理を行うためには、CAMという半導体デバイスがキーデバイスとなるのでしょうか?
次に米国分類257を見ていきます。この分類は、ACTIVE SOLID-STATE DEVICESと呼ばれる分類で、個別の回路やデバイスがあてはまります。
Title:Microprocessor having air as a dielectric and encapsulated lines.がまず目につきました。配線の容量を減らすために、配線の側面のエアギャップにしたものです。
Title:Gate oxide stabilization by means of germanium components ingate
conductor.
これはゲート酸化膜の信頼性を向上させるために、ゲート電極としてゲルマニウムを用いるというものです。酸化膜厚が6ナノメートル以下を想定しているようです。
次に、クレーム数vs優先年解析の結果をみていきたいと思います。
特許マップを作成して特許対策を行い始めると、特許1件あたりのクレーム数が増大します。逆に、特許1件あたりのクレーム数をみると、特許対策の傾向を推定することができます。縦軸がクレーム数。横軸が優先年です。ここで、左上に近い特許ほど、クレーム数が多く、古い特許、すなわち危険な特許と言えます。
そのクレーム数が多く古い技術起源をもつものをピックアップしていきます。
Title:Multi-frame output form that facilitates internet search and update
in a hierarchical database
これは技術起源が96年に遡り、クレーム数が50を超えます。
内容としては、階層的データベースにアクセスする方法のようです。分割、継続の履歴を示すParent
Case TEXT部分も異常に大きく、戦略的に強化しようとしている特許であることが伺えます。内容的にもかなり一般的ではないかと思われるので、要注意でしょう。
Title:Object oriented framework mechanism for multi-target source code
processingも技術起源が96年に遡り、クレーム数は70を超えます。
プログラム開発環境に関するものでしょうか。
(免責:無断転載をお断りします。会社内、知人間でのご転送は当社の宣伝にもなりますので、ご自由に行っていただいて構いません。)
探検隊長より
上記のレポートでは触れませんでしたが、縦型DRAMセル構造など多くの興
味深い特許がIBM200208には見られました。また、SOI関係もみられ
ます。個々のエンジニアの方が、「さくさくとサーフィン感覚で特許動向を把握
できる。」というのが、当WEBの特徴です。あなたもあなたにとってのスクー
プをものにしてみませんか?上司へのアピールにもなるかも?!
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