第25回:「IBM vs Micron:半導体製造プロセス」


 今回はマイクロンとIBMの半導体プロセス特許を見ていきます。
調査期間は、1980年以降です。
会社名*半導体プロセス関連米国分類(438)で検索すると、IBMの特許件数
よりもマイクロンの特許件数の方が多いということが分かりました。


 データトップは、
http://www.cerbonics.net/~semi/PAY/IBM_CCL438/index.htm
および
http://www.cerbonics.net/~semi/PAY/Micron_CCL438/index.htm
です。

まず、両者の特許件数を優先年ベースで集計したものをグラフにしました。
http://www.cerbonics.net/~semi/PAY/IBM_vs_Micron/IBM_vs_Micron_AN.pdf
1995年からマイクロンの勢いが増しているのが分かります。
96年に技術起源がある特許が500件以上も半導体プロセスの技術領域で成立しています。
 発明人口を調べてみました。IBMは過去20年間の発明人口(1度でも、半導体製造プロセス分野で発明者に名前を連ねたことがある技術者数)は3000人を超えています。他方、マイクロンではその4分の1程度、700人あまりです。
過去20年間で20以上のプロセス特許に発明者として名前が記載されている技術者が、マイクロンの場合65人程度います。それに対して、IBMの場合は、半導体プロセス特許の20以上に名前を連ねているエンジニアは30人弱です。先ほどのグラフとあわせて考えるとマイクロンがいかに急激に特許強化を図っているかということが理解できます。ここ10年弱の間に日本半導体メーカーの大半がDRAMビジネスから撤退しました。その結果、日本半導体メーカーはDRAM関係特許で権利行使される側からする側に回りました。マイクロンのこの劇的とも言える動きは、このような事態に合わせた防衛作戦でしょうか?マイクロンの出願、特許対策を分析することは、非常にいい特許戦略(対策)ケーススタディになると思われます。

 では、マイクロン、IBMはどのような分野を特に重要視しているのでしょうか?
筆頭米国分類を調べてみました。筆頭米国分類の件数で上位3つを選び出してみました。共通するものとして、438/692があります。
これはCMP関連特許に割り当てられた分類です。(他にもありますが)ケミカルメカニカルポリッシュと呼ばれる技術で、半導体を平らにする必要があるときに、研磨によって平らにしようとするものです。IBMでは、他に、438/243、438/386が目立ちます。
これは、ともにトレンチ型DRAMに関係した分類です。他方、マイクロンでは、438/253、438/396が目立ちます。
これらは、スタック型DRAMセルに関連しています。
トレンチ型DRAMセルとは半導体基板に穴を空けそこにコンデンサを埋め込む方式、スタック型DRAMセルはその反対に、半導体のMOSFET上にコンデンサを積み重ねる(スタックする)方式です。いずれもDRAMの元となるコンデンサの容量を大きくするために考え出された方法です。どちらも一長一短があり、長い論争?が続いているテーマです。上記の一部についてグラフ化してみました。
http://www.cerbonics.net/~semi/PAY/IBM_vs_Micron/Micron_IBM_CCL3_top3.pdf

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  探検隊長より

DRAMを製造している北米企業は、IBMとマイクロンです。がっぷり4つに競争
を繰り広げている。競争をすることで、さらに技術を飛躍させる。そんな印象を持ちます。
 システムの進歩を見ると搭載メモリの大きさは、年々大きくなっています。
そして、ある劇的な技術に対応するために、不連続的に大きなメモリ容量を必要と
する時が繰り返しやってきます。次は、動画像認識の一般的広がりではないでしょ
うか?人間の顔を認識するばかりか、表情を読み取り、それに対応してくれる。
そんな時代が来ると考えています。
 大容量メモリ開発競争からドロップアウトした日本に、その時代に対応できる、
大容量メモリ技術が残っているのだろうかと、心配になります。


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"T.Yamada" <toyamada@cerbonics.com>まで、いただけましたら幸いです。