第32回:「技術情報としての特許の活用」
今回の話題は、「技術情報としての特許の活用」です。
新しい技術や製品開発を行おうとするとき、「予備知識」の収集を図るというの
が、通常です。その際、どのようにされていますでしょうか?
最近は、WEBの検索を行って見るというのが、まず最初でしょう。
これができるようになってずいぶんと便利になったものです。
次は、学術文献でしょうか。
でも、これらには、偏りがあるということを忘れてはいけないと思います。
基本的に、WEBも学術文献も、大学研究者が技術情報を発信しているという点です。「いや、そんなことはない。企業だって、色々と技術情報をWEBで発信しているじゃないか?!」 ごもっともです。でも、それらは、広報のためであることを忘れてはいけません。企業の広報活動のために出されている情報を見ていたのでは、その企業の後追いしかできない。また、ベンチャーに向く、ニッチの話が企業の広報活動で表に現れるはずがありません。
(蛇足ですが、企業のエンジニアが勝手にWEBコンテンツを作成し、企業の許可無く公開したら、「懲戒」ものです。)
私の、お勧めは、特許情報です。「未利用特許は宝の山」と言われますが、これは、情報源としても「宝の山」だと考えます。
具体的には、まず米国特許を見てキーパーソンを探します。そして、その人の特許明細書を調べます。特に、日本企業がお勧めです。日本特許(公開広報)には、残念ですが、「ノルマで書かれた」ものも多く、情報の取捨選択が困難です。
日本企業から、米国に出願する際には、多額の費用がかかるため、その段階で、「ノルマで書かれた」ものは、排除されている可能性が大きいのです。 これだという人を見つけたら、その人の日本特許公開広報を特許庁のWEBで入手します。
読むところは、「従来技術の説明」のところだけです。特許明細書は「審査官へのラブレター」とも言えます。その点を理解して、従来の技術や課題を懇切丁寧に説明し、審査官を惹きつけようとしている、そういう明細書に必ず出会います。
その明細書が、「最適な教科書」です。 もちろん、特許になってしまったアイデアでは、新しい技術開発の元ねたにはならないでしょう。そういう作業を複数の技術分野で行って、その組み合わせや、コンセプトの流用などを考えていると、色々なインスピレーションを得ることができます。まさに、「宝の山」です。
(免責:無断転載をお断りします。会社内、知人間でのご転送は当社の宣伝にもなりますので、ご自由に行っていただいて構いません。)
探検隊長より
技術は人が創ります。特許を人に注目してみていくと、その人が、どういう分
野からどういう分野へ進出していったのか、手に取るように理解できます。 そ
のために当社のWEBコンテンツには、発明者別集計と筆頭発明者別集計をご用意
しています。それらを読み解き、一人でも多くの方が新しい技術分野へ船出され
ることを期待しています。
ご感想、ご要望などありましたら、
"T.Yamada" <toyamada@cerbonics.com>まで、いただけましたら幸いです。