第34回:「怪しいけど、面白い」
「怪しいけど、面白い」。そんな、技術の話を聞いたことがありませんでしょうか?
私の場合、最初にそれを感じたのはCMPについてです。
CMPは、chemical mechanical polishと言われるもので、半導体の製造プロセスで、平坦化:平らにする工程にあたるものです。
CMPの話を聞いたときに、「大切で、敏感なMOSFETが形成されたシリコンウェーハーをこともあろうにがりがり削るとは、何事だ。」と感じたのを記憶しています。ところが、今や、層間絶縁膜の平坦化はおろか、分離工程まで、このCMPになってしまっています。(エッチバック法やLOCOS法の方が、より「高級」に感じませんか?)
過去の「特許探検隊」の中にも、いくつか、「怪しいけど面白い」技術を紹介しています。例えば、 第10回配信:「自己組織化」
http://www.cerbonics.net/~semi/tanken/back/20020808.htm
の中にも以下のものがあります。
カリフォルニア大学によるNumber(Issue): 5,545,291( August 13, 1996)Title:Method for fabricating self-assembling microstructures.
タイトル:自己集合超小型構造を作る方法を見ていきたいと思います。
これは、「流体トランスポートによるサブストレートの上へ超小型構造をアセンブルする方法。」だそうです。小さな箱形状のものが基板に開けた穴に、液体中を移動するうちに勝手にはまるもののようです。明細書には、基板に開けた穴というか仕切りの中にはまっている微小物体が写ったSEM写真があります。ちょうど、しきりに入ったお土産用のチョコレートか、もなかのようでもあります。
主たる用途としてはシリコン半導体上に、微小LEDや半導体レーザーを組み込むというような場合を想定しているようです。
これなんかも、立派に「怪しいけど面白い」技術です。
MEMSについても、初めて聞いたときには、「怪しいけど面白い」と感じました。
電子顕微鏡の画面の中で、くるくると回る静電モーター。「何につかうんじゃい」と、思わず口にでました。ところがところが、それが進歩を重ねて、TIのDMD(デジタルミラーデバイス)という形で、表に出てきました。あの美しい画面を見たときに、くるくると回る静電モーターが頭をよぎり、感動的でさえありました。
MEMSについては、第1回配信の中でも、MEMSを使ったジャイロのことを紹介しています。これも近いうちに、色々なところに搭載されていくのでしょうか?
ところで、「2003年4月7日はアトムの誕生日!!」だそうです。
http://www.kobunsha.com/atom/
アシモ君が進化をしていくと、2003年4月7日は無理としても2013年頃には、アトム君になるのでしょうか? とてもそうは思えません。きっと、「怪しいけど面白い」技術が劇的に投入されて、アシモはアトムに進化するに違いはありません。では、その「怪しいけど、面白い」技術は何でしょうか?
面白い時代に遭遇しているものです。
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探検隊長より
「怪しいけど、面白い」技術が、実用化されるには、技術者の執着と努力が不
可欠です。資金も必要です。「怪しい技術」をやっている技術者を、視界から遠
ざけることは容易です。日本企業の経営陣が、「怪しいけど、面白い」技術にど
れだけ投資できるかを考えると、絶望感すら感じます。
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"T.Yamada" <toyamada@cerbonics.com>まで、いただけましたら幸いです。